リバ剣|リバイバル剣道とは

リバ剣|リバイバル剣道とは

剣道は子供からお年寄りまで幅広い年齢層が一緒にできる競技と言われています。

学生時代に剣道されていた方で、卒業などを機にやめてしまうことが多いのですが、長い年月を経て、家庭を持ち、お子さんができて習い事をはじめたのをきっかけに剣道を再開される方がいます。近年ではリバイバル剣道(剣士)/リバ剣と呼ばれています。

剣道は生涯続けられるスポーツです

剣道は子供からお年寄りまで世代間を越えて長く楽しめる武道です。体を動かスポーツとしての側面を持つ以外にも自己研鑽のために昇段を目指したり、人間形成を志すことのできる奥深さがあります。競技者として年齢を重ねると身体的な衰えは出てきますが、技術、精神的な部分は磨かれていきますので、生涯にわたって教え学ぶことが推奨されています。

私と剣道の出会い

私は現時点で45歳なので、約30年以上も前のことです。中学1年生の時に兄が剣道の道場に通い始めたのをきっかけに私も一緒に習うことになりました。自分から習いたいと言ったのかは記憶にないですが、最初は竹刀で素振りをしている程度でしたので、楽しく取組んでいたと思います。ジャージ姿が道着になり、防具をつけるようになると少しずつ気持ちも変わってきます。防具をつけると体も重たくなりますし、面をつけると視界も狭く、慣れないうちは息苦しさもあります。何よりも自分も打たれるようになります。剣道などの武道に限らず、物事を続けるには厳しく辛い道のりがあるのが当然ですが、次第に稽古に行くのが辛くなり、稽古のある日曜日が迫ってくるのが憂鬱になっていました。今思えば、高い防具をすべて揃えてもらい、送り迎えをしてくれていた親には申し訳ないのですが。

剣道とお別れ

厳しい稽古に自分を律することができず、何よりも気持ちがついていけませんでした。剣道に行くのが嫌なせいか、熱を出してしまうこともありました。結局1年もせずに道場をやめてしまいました。中学校の部活でも剣道をしていましたが、あまり真面目には真面目に取り組まず、昇級試験も避けて中学卒業と同時に剣道とはお別れしました。

剣道と再開

その後、高校、大学と剣道とは全く無縁の生活をしてきました。社会人になってからも友だちとフットサルやマラソンなどで汗を流してきましたが、剣道には接点がありませんでした。

 そして、28歳の時に妻と結婚し、新居は妻の実家の隣に家を建てることになりました。それは偶然にも過去に通っていた剣道の道場の近所でした。結婚してから数年後に2人の子どもにも恵まれました。子どもたちが大きくなり、習い事を考えていると妻が候補に選んだのは剣道でした。もちろん、私が過去に通っていた道場です。道場が自宅から近いのもあったのと、私が過去に剣道をしていたのもきっかけだったようです。10歳になった息子は道場に通い始め、娘も保育園から一緒に習うことになりました。先生もお年をめされていましたが、ご健在でした。再び剣道と再開することになりました。

子どもたちの姿に心が動かされる

子どもたちも最初は楽しく稽古に通っていました。しかし、次第に稽古はつらくなってくるのは当然です。稽古に出かける直前になると体調不良を訴えるんですね。お腹が痛くなるとか、頭がぼーっとしてきたとか。何とか励ましながら送り迎えをするうちにそんなことも言わなくなり、毎週あたりのように稽古に向かうようになりました。子どもの時の私と違い、大きな山を乗り越えたようでした。

親になって気づいたのですが、子どもたちが剣道を続けていく中でさまざまな困難があります。まずは自分で道着を着れるようになること。そして防具をつけられるようになること。面を着けるには見えない後頭部の箇所で面紐を蝶々結びできるようにならないといけませんし、硬く結ぶ必要があります。いつまでも手伝ってもらっていては自分ではできるようになりません。時にはボロボロと大粒の涙をこぼしながら面の紐を何度も結びなおす姿を遠めから眺めていました。できなかったことができるようになる姿が見れるのは親にとって大きな感動を得ることができます。何よりも先生たちは子どもらをとても大切に扱い、指導をしていただいていた賜物だと感じました。、年を重ねるごとに成長する子どもたちの姿に心が揺り動かされました。剣道は私にとっては過去の失敗経験でした。子どもたちを見ていく中で、自分も当時続けることができていたらどうなっていたか。どうして続けられなかったのか?自問自答するようになりました。もし、もう一度剣道に取り組むことができたなら、過去に失敗してしまった時間を取り戻せるような、人生をやり直すくらいの価値があるように感じました。

剣道をやり直す

私も剣道を習いたいと先生に伝えたかったのですが、なかなか言えず、タイミングを逃していました。ある日の稽古の帰りに勇気を出して「私も剣道を習いたいです!」と先生に伝えました。先生は笑顔で歓迎してくれました。

子どもたちが通っている道場はスポーツ少年団ですので、大人は先生だけです。子どもたちに一人だけ混じって、剣道を習うことになりました。最初は稽古をしている子どもたちとは別に先生とマンツーマンで素振りの指導をしていただきました。1か月ほど経ち、先生から防具をつけてよいと許可をいただいたのですが、中学生の時に使っていた防具などはすでになかったので、楽天で手ごろな初心者用の防具を探して購入しました。子どもたちと一緒にならうことで、基礎から丁寧に指導をしていただけるのが私にとって幸いでした。大人になってからの剣道の利点としては、深く考えながら取り組めるということにあると思います。当然ながら、子どものように思ったように体が動かないということもありますが、自分自身の成長も少しではありますが、実感することができます。何よりの我が子と一緒に手を繋ぎながら道場までの行き帰りを歩く時間というのも私にとってはかけがえのない時間です。

昇級・昇段

私は中学生の時に昇給審査をうけていなかったので、1級を受けることになりました。現在の剣道連盟による昇級審査は1から10までの木刀による基本稽古、実技試験がありました。道場で先生に指導をしていただく以外にもYouTubeを見て自主練習を繰り返し、無事に合格することができました。

同年に初段の審査も合格することができました。

リバ剣を迷っている方。剣道をはじめてみたい方

多くのリバ剣の方は中学高校など、本格的に剣道に取り組まれ、数年後に復帰される方が多いようです。私の場合は15歳で剣道を離れ、約28年後に再開をしましたが、ほぼ剣道を一から始めたと言ってよい状態です。やり直しというよりは、始めたといっても良いのかもしれません。こんな私を受け入れてくださった先生たちには心から感謝をしています。何よりも剣道は礼法を重視し、相手を尊重するという理念があります。そして生涯にわたって取り組むことができる価値あるものであると感じています。リバ剣を迷っている方、もしくは大人になってから剣道をはじめてみたいという方の参考になれば幸いです。

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