入所施設の夜勤はしんどい?40代でも元気に続ける方法

入所施設の夜勤はしんどい?40代でも元気に続ける方法

ふわまる
ふわまる

こんにちわ。ふわまると申します。

私は4年生大学の政治経済学部を卒業後、無資格、未経験で介護老人保健施設に就職をしました。

3年間勤めたのち、現在は障害者支援施設で主に重度の知的障害を伴う自閉症の方の支援をしています。転職して約20年になり、中間管理職の立場ですが、ほぼ現場の支援員をしており、今でも夜勤をしています。

この記事を読んで欲しい人

福祉の仕事未経験で転職を考えている。

介護、福祉施設の仕事に興味がある。

給料アップのためにも夜勤をしてみたいけど、しんどそうで心配

夜勤の大変な面と良いところを知りたい。

入所施設の夜勤は日勤だけの仕事と比べると「続けられるか心配」と思う方も多いかもしれません。

確かに夜勤は一晩中起きていなければいけないので、体力勝負のように思いますが、高齢者や障害者の入所施設で夜勤をしている職員は若い人だけではありません。40代から50代で男女ともに夜勤をしている方も多く、年齢を重ねても長く続けることは可能です。

この記事では福祉施設の夜勤の実情、大変な面と良いところを私自身の経験も交えてお伝えします。

介護・福祉施設の夜勤の勤務時間帯

夜勤の勤務時間帯は事業所によって異なるのですが、主に2交代もしくは3交代の形態をとっています。

2交代の夜勤の場合

2交代とは1日の勤務時間帯を昼と夜の2つに分けた勤務になります。2交代の夜勤は1回の勤務で2日分働くという形になります。

例を挙げると

夜勤 15:30~翌9:30まで (16時間勤務 休憩2時間)

その他の勤務者

  • 早番 6:30~15:30
  • 日勤 8:30~17:30
  • 遅番 11:00~20:00

一度の夜勤で2日分働くということになります。夜勤明けは9時30分に帰りますが、休日という扱いにはなりません。基本的に夜勤明けの翌日は休みに設定されています。

注意点

勤務時間帯はあくまで例です。具体的な時間については事業所によって異なります。

2交代のメリット

  • 2日分働くという形なので、夜勤明けは休日扱いにならない。
  • 日中と比べると夜間は一人の時間が長いので、マイペースに仕事を進められる。
  • 夜勤を複数回こなすと、休日が増えたような感覚になる。
    夜勤に行くまで時間に余裕があるため、のんびりと過ごせる。日中に用事をすませることもできる。
  • 勤務時間が長い分、夜勤手当が多い。
  • 勤務時間が長いが、利用者さんが落ち着いて睡眠を取っていれば、特に稼働していない業務の空き時間がある。
  • 日中に自由な時間が増えるため、プライベートが充実しやすい。

 

2交代のデメリット

  • 勤務時間が長い。
  • 一晩中起きているため、体力的にも精神的にも負担は大きい。
  • トイレ誘導やオムツ交換は1人でするため、時間帯によっては日中よりも仕事量が多い。
  • 夜間に寝ない利用者さんの対応をする場合には体力と忍耐が必要。
  • 事故などに関して、個人の責任は重い。
  • 3日間の日勤をした後、夜勤をすると体に負担はかかる。
  • 夜勤明けの休みが1日だけだと生活のリズムが乱れてしまうことがある。
  • 事業所の勤務配置によっては、夜勤の回数が多くなってしまう。
  • 休憩・仮眠時間はあるが、利用者さんの状態によっては取れないこともある。

3交代の夜勤の場合

一日を3回の勤務に分けています。夜勤の時間は短くなります。

準夜勤 22:00~7:00(8時間勤務 休憩1時間)

その他の勤務者

  • 早番 6:30~15:30
  • 日勤 7:00~16:00
  • 深夜勤 13:00~22:00

2交代との大きな違いは夜勤で日付はまたぎますが、働くのは1日分です。事業所によっては夜勤明けが休日扱いになる場合があります。

注意点

勤務時間帯はあくまで例です。具体的な時間については事業所によって異なります。

 

3交代のメリット

  • 勤務時間は短いので、体力的には負担は少ない。
  • 出勤時間が遅いため、日中は自由に過ごせる。
  • 出勤した時に利用者さんは寝ているため、全体的に落ち着いていれば、業務の負担は少ない。
  • 不眠の利用者さんがいる場合にも対応する時間は2交代と比べると身近い、

 

3交代のデメリット

  • 2交代と比べると夜勤手当が少ない。
  • 人によっては夜に仕事に行かなければいけないため、気分的に落ち着かない人も。
  • 事業所によっては夜勤明けが休日扱いになる場合がある

基本的に夜勤明けは休日の扱いにできないのですが、特例として8時間の3交代をしている場合、特例として、就労規則に定められている場合には夜勤明けを休日の扱いにできる場合があります。

【第20条 休日】
1 労基法では何曜日を休日とするかあるいは国民の祝日を休日とするかについて規定していません。1週間の中で何曜日を休日としても、また、週によって異なる曜日を休日としても差し支えありません。さらに、勤務の実態に合わせて、労働者ごとに異なる日に交替で休日を与えることもできます。
2 休日は、原則として暦日(午前0時から午後12時までの継続24時間をいう。)で与えなければなりません。しかし、番方編成による交替制(8時間3交替勤務のような場合をいう。)を導入するような場合、以下の要件を満たせば休日は暦日ではなく、継続した24時間を与えれば差し支えないとされています(昭和63年3月14日付け基発1450号)。
(イ)番方編成による交替制によることが就業規則等により定められており、制度として運用されていること。
(ロ)各番方の交替が規則的に定められているものであって、勤務割表等によりその都度設定されるものではないこと。

引用:第4章 労働時間、休憩及び休日|厚生労働省 

 

私は大学卒業後から現在も2交代の夜勤をしています。基本月に4回の夜勤をしています。

10月であれば、公休が9日間、勤務日が22日と計算すると、夜勤が4回の場合は夜勤明けが4回ありますので、13日間休みがあるような感覚になります。

一晩寝ない日が4回もあるので、体への負担は大きいですが、子どもの授業参観や習い事の送り迎え、自分の通院など、時間の都合は日勤だけの働き方と比べると都合がつきやすいです。

夜間の業務はトイレ誘導やオムツ交換など、稼働する時間と何もすることがなく座っている時間帯のオンとオフに差があります。稼働する時間帯に合わせて頭を切り替えるという感じでした。
数年間は夜勤をしていない期間がありましたが、日勤だけだと体への負担は少ないものの自由な時間が少なくなったような感覚になりました。

夜勤は日勤だけの勤務と比べると手当てが出るので、給料が増えます。

自由な時間が増えるので、プライベートが充実します。

夜勤手当とはどういうもの?

夜勤手当とは、そもそも労働基準法には定められているものではなく、施設を運営する企業、法人に支払いの義務はありません。支払うかどうかを雇用者が決めることができますが、支払わなくても法的に問題はありません。

その一方で労働基準法には「深夜手当(深夜割増賃金)」と「時間外割増賃金」というものがあります。これが支払われない場合には労働基準法違反となります。

  • 深夜割増賃金 22時から翌日5時までの間に勤務した場合、25%以上の割増
  • 時間外割増賃金 1日8時間の法定労働時間を超えた場合、25%以上の割増

よって、介護施設の「夜勤手当」は、労働基準方で定められた額に任意で上乗せされた手当となります。夜勤手当自体は任意であるため、金額は法人によって異なります。

2交代の介護職員(正規職員)の夜勤手当

 2交代の正規職員の夜勤手当の平均額は5,976円。各業態によって差はありますが、介護老人保健施設が比較的、夜勤手当が高い傾向にあります。

    業 態有効回答施設数平均額(円)最高額(円)最低額(円)
特別養護老人ホーム     125,1506,80025,00
介護老人保健施設347,20312,9004,300
グループホーム245,4089,0004,000
小規模多機能型135,5009,0003,000
看護小規模多機能型155,2078,4003,200
単独型短期入所65,72510,6003,200
介護医療院6,5007,0006,000
全体1065,97612,9002,500
 2021年介護施設夜勤実態調査結果概要を参考に作成

3交代の介護職員(正規職員)の準夜勤手当

業態有効回答施設数平均額(円)最高額(円)最低額(円)
特別養護老人ホーム     22,8003,10025,00
介護老人保健施設33,7004,3002,500
グループホーム
小規模多機能型12,5002,5002,500
看護小規模多機能型
単独型短期入所4,0004,0004,000
介護医療院4,5006,1003,000
全体103,6306,1002,500
出典 2021年介護施設夜勤実態調査結果概要

3交代の介護職員(正規職員)の深夜勤手当

業態有効回答施設数平均額(円)最高額(円)最低額(円)
特別養護老人ホーム     4,2505,0003,400
介護老人保健施設34,3674,7003,700
グループホーム
小規模多機能型13,7003,7003,700
看護小規模多機能型
単独型短期入所4,0004,0004,000
介護医療院5,0507,1003,000
全体124,3257,1003,000
出典 2021年介護施設夜勤実態調査結果概要

夜勤を続けていくには体調管理が重要

夜勤は一晩寝ずに働くので、昼夜逆転してしまいますし、体力的にも精神的にも不安のかかる大変な業務です。実際に夜勤という働き方が合わない方は体調を崩してしまったり、中には退職をしてしまう場合もあります。

近年は人手不足のため、多くの事業所で1人当たりの夜勤回数が多い傾向にあります。私の働く事業所では、過去に人手に余裕がある時には1か月に1人3回までにしていましたが、現在は4回が平均になっています。場合によっては5回の夜勤をする場合もありますが、翌月は4回に減らすなど、ローテーションをしています。

生活のリズムを整え、夜勤のある仕事を続けていくためには普段からの生活スタイルが重要になります。1日昼夜逆転してしまった体調をどのようにリセットするかが課題になります。仕事を元気に続けていくためにどのような過ごし方が良いのか、個人差はありますが、私の経験をもとにお話していきます。

20~30代にかけての夜勤前の過ごし方

現在は40代ですが、介護老人保健施設に就職した当時は若かったので、夜勤の前日は夜遅くまで遊んでいたり、ゲームをして夜更かしをすることが多かったです。夜勤当日は昼過ぎまでしっかりと寝て、睡眠を貯めていました。昼過ぎに食事を摂り、少しくつろいでから夜勤に向かっていました。

昼過ぎまでしっかり寝ていたから、夜は元気に過ごせるかというと、そうではないです。やはり夜は眠くなりますし、出かける時も少し体はだるく感じます。さらに困るのが、仮眠の時間になって寝られる時もあれば、目が冴えて全然仮眠を取れない時もありました。利用者さん全員が寝ている深夜は特に何もすることもなく、休憩をしているような時間帯はありますが、30名くらいのオムツ交換を一人でしなければいけなかったり、夜中に起きた方の見守りが必要な時もあります。

 なんとか夜を乗り切り、夜勤明けは帰ってすぐに寝るか、仮眠をとって遊びに行くという感じでした。20~30代は体力があるので、乗り切れるのですが、今思うと体調を崩しやすく、風邪を引いてしまうことも多かったです。

 夜勤を続けていくのには大変な時期も出てきます。働く人のライフステージも大きく影響します。独身の時は自由な時間が多いのですが、結婚し、子どもができた場合には夜勤前や夜勤明けでもゆっくりと自分のペースで過ごせず、子どものお迎えや習い事の送迎をすることもあります。女性の場合は家事との両立もあるため、ゆっくりと体を休める時間も少ない場合もありますね。

生活リズムを整えるための夜勤対策

基本的には毎日同じ時間に起きて同じくらいの時間に寝るという一定のペースを保って生活をします。

夜勤当日の朝

当日の朝はできる限り遅くまでは寝ずに7~8時くらいには起きて朝食を摂ります。

生活のリズムが整っているので、夜勤の勤務中に眠くなりますが、休憩時間に仮眠をとりやすくなります。休憩が2時間であれば、フルに2時間の仮眠を取ることにこだわる必要はないと思います。経験上、深い眠りに入ってしまうと、起きるのがかなりしんどくなります。30分から1時間の休憩で浅い眠りの方が目覚めてすぐに仕事に戻りやすいです。30分から1時間ほど仮眠を取り、起きて30分ほど目を覚ます時間の余裕があると仕事に戻ります。

夜勤明けの過ごし方

残業があったとしても昼前かお昼には帰宅します。帰宅して4~5時間寝てしまうと、夜に寝られなくなってしまいます。結果として夜更かしして、翌日の休みは遅くまで寝てしまいますと、なかなかリズムは戻りません。休み明けが早番だとさらに大変です。

夜勤明けの日中にお子さんの送り迎えをしたり、家族を乗せて車の運転をする場合には安全のために帰宅後は軽く1時間くらいの仮眠を取って体を休めることが必要に思います。

そして、夜は早く寝る。日中に眠いのを我慢して、夜に早く寝ます。せっかく夜勤明けで次の日が休みなのに早く寝るのはもったいないと思う方もいるかもしれません。独身の時はそれでも良いのかもしれません。しかし、大切なのは長く続けることです。しっかりと体を休め、体内時計を修正することで翌日は元気に休日を過ごすことができます。体力的に乗り切れても、少しずつ見えないダメージや疲れは蓄積します。長く続けていくためには日頃のメンテナンスが重要となります。

入所施設は人と関わる仕事のため、日常から体調を整え、免疫を落とさないような心掛けが必要です。生活リズムを崩してしまうと、免疫も低下します。施設にインフルエンザ等の感染症を持ち込んでしまった場合には、施設内感染を広げてしまう危険性もありますので、生活リズムを保ち、元気に仕事を続けられるようにすることが重要です。

このような職場には注意が必要

  • 一人当たりの夜勤の回数が常に6~7回と多い。
  • 夜勤を独り立ちするまでの研修期間が短い
  • 夜勤明けが休みでなく、日勤など出勤が多い。
  • 5日以上の連続勤務が多い。
  • 公休が少ない。

24時間利用者さんの暮らしを支える入所施設の仕事は大変ですが、続けていくためには労働者個人だけの努力では限界があります。

働く人がどれだけ健康管理に気を配っても、労働環境が過酷であれば体をこわしてしまいます。結果として、支援の質も高く保つことはできません。

福祉施設で唯一財産と呼べるのは人材だけです。人材を大切に考え、労働環境を整える努力をしている事業所でこそ、働く意義があります。

福祉の仕事は労働環境に見合わず、給料が安いと言われていますが、必ずしもすべての事業所がそうではないと思います。実際私は介護老人保健施設から現在の障害者支援施設への転職によってキャリアップすることができました。40代半ばでも元気に夜勤を続けていますし、この先も今の職場で働き続けたいと思っています。

まとめ

夜勤は大変な仕事ですが、普段の生活リズムを整えることで長く続けることが可能です。

夜中の業務は体力的にも精神的にも負担が大きいです。しかし、事業所にもよりますが、オンとオフの時間帯があるので、常に忙しく動いているわけではありません。日中に自由な時間が増える分、プライベートが充実しやすいです。夜勤をすることで手当てがあるので、給料アップにつながります。

そして、福利厚生や人員配置など、働く職員のことを大切に考え、働く環境の整った職場を選ぶことが大切になると思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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